乳幼児の発達② 1・2歳児の自我と探索活動
0歳児期に築かれた「安心感」という土台の上で、1・2歳児は、まるで地面から芽吹いた若葉のように、「自我(じが)」、つまり「わたし」という意識を爆発的に成長させていきます。この時期の子どもは、歩き始め、言葉を話し始め、そして何よりも「自分でやりたい!」という強い欲求を持つようになります。
その姿は、時に私たち大人を困らせる「イヤイヤ期」として現れるかもしれません。しかし、これは反抗ではなく、一人の人間として自立に向かうための、非常に重要で健全な発達の証なのです。この研修では、このダイナミックな成長期の子どもの内面を理解し、その嵐のようなエネルギーを健やかな発達に繋げるための、私たちの専門的な関わり方について学んでいきましょう。
一人で歩けるようになることは、1歳児の発達における革命的な出来事です。これまで見えていた世界が一変し、自分の意思で、好きな場所へ、好きなものへと向かっていけるようになります。この移動能力の獲得が、子どもの「探索活動」への意欲をさらに加速させます。
子どもが、身の回りのあらゆるものに興味を持ち、「これは何だろう?」と、触ったり、叩いたり、口に入れたりしながら、その性質や仕組みを五感で学んでいく活動です。この時期の子どもにとって、世界は巨大な実験室であり、遊びと学びは完全に一体です。
子どもの「やってみたい」を尊重するためには、まず「ここでなら失敗しても大丈夫」という安全な環境が不可欠です。(誤飲の危険物、家具の角、コンセント等への配慮)
「自律性」の芽生えです。大人が先回りしすぎず、時間がかかっても「待つ」姿勢が、子どもの挑戦する意欲を育てます。(食事、着替えなど)
「イヤイヤ期」は、子どもの「自我」が順調に育っている健全な発達の証です。いわば、「“わたし”という人間の独立宣言」なのです。
1歳半前後から、子どもの言葉は爆発的に増えていきます。ここで重要なのは、言葉を話す「表出言語」よりも、言葉を理解する「受信言語」の方が、常に先に発達するということです。話せなくても、大人の言葉をたくさん理解し、心の中に「言葉の貯金箱」をいっぱいにしている時期なのです。
「ワンワン」「ブーブー」など、一つの単語で要求や感情を表現。
「ママ、いた」「ワンワン、いた」など、2つの単語を繋げて表現。
実況中継のように話しかける: 「青いブロックを積んでるね」と、子どもが見ているものや、やっていることを、そのまま言葉にしてあげる。
子どもの言葉を広げる(拡大応答): 子どもが「ワンワン」と言ったら、「そうだね、白いワンワンが歩いているね」と、少し情報を付け加えて返す。
絵本の読み聞かせ: 物語の世界を楽しむだけでなく、擬音語や擬態語を一緒に楽しむことで、言葉への興味が深まる。
事例: 2歳のF君。公園に遊びに行く時間ですが、帽子をかぶるのを「イヤ!」と言って、帽子を床に投げてしまいました。
この状況で、あなたはF君にどのように関わりますか?本日の研修で学んだ「イヤイヤ期の関わりのヒント」を参考に、複数の具体的な対応方法(声かけや行動)をグループで考えてみましょう。