あなたの「なりたい姿」への地図を描こう
「5年後、どんな専門家になっていたいですか?」この問いに、まだ明確な答えが見つからなくても大丈夫です。キャリアデザインとは、完成された地図を誰かからもらうのではなく、自分だけの冒険の地図の「描き方」を学ぶこと。この記事では、あなたの現在地を確認し、未来の可能性に触れ、次の一歩を踏み出すための具体的な方法を、ワークシート形式で分かりやすくガイドします。
現在地を確認する:Will-Can-Mustの3つの輪
効果的な地図を描くためには、まず自分が今どこにいるのか(現在地)を知る必要があります。やりがいを感じながら専門職として成長し続けるためには、「やりたいこと(Will)」「できること(Can)」「すべきこと(Must)」という3つの要素のバランスが重要だと言われています。この3つの輪が重なる部分が大きくなるほど、仕事の満足度は高まっていきます。
【ワークシート①】あなたの「Can(できること)」と成功体験
まずは、あなたの「武器」であり、冒険の「装備」となる『Can(できること)』から見つけていきましょう。大きな成功体験である必要はありません。日々の支援の中で「うまくいったな」「嬉しかったな」と感じた小さな成功体験の中にこそ、あなただけの強みのヒントが隠されています。
【ワークシート②】あなたの「Will(やりたいこと)」と「Must(すべきこと)」
次に、あなたの冒険の「羅針盤」となる『Will(やりたいこと)』と、進むべき「ルート」のヒントとなる『Must(すべきこと)』を整理します。自分の「苦手」や、他者から「期待される役割」を客観的に見つめることで、これから進むべき方向性が見えてきます。
未来への一歩を踏み出す:SMARTな目標設定
自己分析から見えてきた「なりたい姿」は、まだぼんやりとした願い事のようなものかもしれません。その願いを、実現可能な計画に変えるための強力な道具が「SMARTの原則」です。具体的で測定可能な目標を立てることで、「何をすればいいか」が明確になり、行動へと繋がりやすくなります。
「頑張る」ではなく「誰と、何をする」まで具体的に。
「増やす」ではなく「週に1回」「3冊読む」など数字で。
いきなり高すぎる目標ではなく、現実的に達成できる一歩を。
自分や組織の目標と関連しているか。
「いつか」ではなく「〇月〇日までに」と締め切りを決める。
良くない目標設定の例 👎
「発達障害の知識を身につけて、もっと専門的な支援ができるようになりたい」
SMARTな目標設定の例 👍
「次の3ヶ月で(T)、ADHDに関する専門書を2冊読み(M)、学んだ知識を基に、B君の集中を助けるための環境改善案をチームに提案し、実践する(S, A, R)」
【ワークシート③】あなたのネクストステップ・アクションプラン
さあ、いよいよあなたの冒険の地図に、具体的な「次の一歩」を書き込みます。ここでは、大きな目標だけでなく、「ジョブ・クラフティング」の視点も大切です。ジョブ・クラフティングとは、日々の仕事の中に、自分の強みや興味を活かす工夫を主体的に加えること。明日からできる小さな工夫が、仕事のやりがいを大きく変えるきっかけになります。
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