基礎研修 第3回:【チーム】チームで働く意義と基本

基礎研修 第3回

【チーム】チームで働く意義と基本

目次

1. はじめに:一人じゃないから、最高の支援ができる

私たちの仕事は、一人では決して成り立ちません。日々の支援は、まるでオーケストラのようです。一人ひとりが違う専門性や個性という楽器を持ち、お互いの音を聴き合い、協力することで、一人の力では決して奏でられない、豊かで素晴らしいハーモニー(=質の高い支援)を生み出すことができます。

この研修では、なぜ私たちがチームで働くのかという根本的な意義を理解し、そのハーモニーを奏でるための最も基本的な技術である「報連相(ほうれんそう)」を学びます。最高のチームの一員となるための第一歩を、今日ここから踏み出しましょう。

2. チームの力:1 + 1 を 3 にする魔法

なぜ私たちは、一人ではなくチームで働くのでしょうか。それは、チームで働くことによって「相乗効果(シナジー)」が生まれるからです。

【豆知識】相乗効果(シナジー)とは?

相乗効果とは、複数の要素が組み合わさることで、それぞれの力を足し合わせた以上の、大きな力が生まれることを言います。「1+1」が「2」ではなく、「3」にも「5」にもなるイメージです。

チームがもたらす3つの大きなメリット

① 多様な視点による支援の質の向上

子どもたちの姿は、見る角度によって全く違って見えます。様々な経験、価値観、専門性を持つメンバーが集まることで、一人の「見落とし」や「思い込み」を防ぎ、子どもの可能性を最大限に引き出す、奥行きのある支援が実現できます。

一人の視点: 部分的で、思い込みが入りやすい。
チームの視点: 多角的で、子どもの全体像を捉えやすい。→ より的確で、根拠のある支援に繋がる。

② リスクの分散と安全の確保

どんなに優れた職員でも、一人で24時間365日子どもたちのすべてを見ることは不可能です。チームで情報を共有し、危険を予知し合うことで、ヒヤリハットや事故を未然に防ぐことができます。

一人での対応: 常に死角が存在する。急な休みに対応できない。
チームでの対応: お互いの死角をカバーし合える。一貫した支援を継続できる。→ 子どもの安全が組織的に保障される。

③ 職員の精神的な支え合い(バーンアウトの予防)

この仕事は大きなやりがいがある一方で、悩んだり、落ち込んだりすることもあります。良いチームは、子どもだけでなく、働く私たち自身を守るためのセーフティネットでもあります。

一人で抱え込む: 孤独感が増し、ストレスが溜まり、燃え尽き症候群に繋がる。
チームで支え合う: 悩みを相談し、共感し合える。安心して働き続けられる。

3. チームワークの心臓部:「報連相」をマスターする

チームという身体に血液を巡らせ、生命を維持するのが「報連相」です。これは単なる業務連絡ではなく、チームワークの根幹をなすコミュニケーション技術です。

① 報告(ホウ):責任を果たすための「義務」

【目的】 自分の担当業務の進捗や結果、発生した事実を、上長やチームに正確に伝えること。

  • 結論から先に:「〇〇の件ですが、完了しました。」
  • 客観的な事実を:憶測や感情(「~だと思います」)と、事実(「~でした」)を明確に分ける。
  • タイミング良く:悪い情報ほど早く伝えることがチームのリスク管理に繋がる。
良い報告 良くない報告
結論と事実が明確。「本日15時、A君が転倒し、右ひざに擦り傷。すぐに洗浄・消毒し、保護者へも連絡済みです。」 結論が不明瞭で、言い訳や感想が多い。「今日の午後にA君のことでちょっと色々ありまして、大変だったんですが、一応もう大丈夫だと思います。」

② 連絡(レン):情報を共有するための「気配り」

【目的】 決定事項や変更点など、自分以外の関係者にも知らせるべき情報を、漏れなく伝えること。

  • 5W1Hを明確に:いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)を簡潔に。
  • 関係者全員に:「あの人には伝えたけど…」という漏れがないように。
  • 伝わったか確認:口頭の場合は、復唱してもらうなどの工夫も有効。

③ 相談(ソウ):問題を解決するための「強み」

【目的】 自分一人では判断に迷うこと、困っていることについて、上長や同僚に意見やアドバイスを求めること。

  • 抱え込まない:「こんなこと聞いていいのかな…」とためらわない。相談は問題を未然に防ぐ有効な手段。
  • 自分の考えを添えて:丸投げせず、「現状はこうで、私はこうしようと思いますが、ご意見をいただけますか?」と整理してから。
  • 相談は「弱さ」ではなく「プロ意識」の証。

【グループワーク】ケーススタディ(25分)

いつもは活発なEちゃん(4歳)が、今日の午後からあまり元気がなく、好きなおやつも半分残しました。あなたがEちゃんの担当職員だとします。熱はなく、目立った外傷もありません。

<話し合いのポイント>

この状況で、あなたは誰に、いつ、どのような内容を【報告】【連絡】【相談】しますか?(報告と連絡の違いも意識して、具体的なセリフを考えてみましょう)


4. 自分の「役割」と「責任」を理解する

良いチームでは、メンバーがそれぞれの「役割」を理解し、その役割に対する「責任」を果たしています。

役割 (Role)

チームの中であなたに期待されている働きのこと。

責任 (Responsibility)

その役割を、きちんと最後までやり遂げる義務のこと。

児童指導員、保育士、児発管、管理者など、役割は異なりますが、「子どもの最善の利益を守る」という共通の目標に向かっています。自分の役割を正しく理解することで、「これは自分の仕事ではない」という壁を作るのではなく、「自分の役割として、チームのために何ができるか?」という主体的な視点が生まれます。

【個人ワーク】私は最高のチームプレイヤー?






児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所の方へ

職員研修にご使用いただけるように、研修用テキスト資料と講師原稿を配布しております。

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支援の質向上にお役に立てれば幸いです。

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