【児童指導員向け研修】
ストレスの理解とセルフケア入門
自分を大切にすることが、最高の支援に繋がる
今回のテーマは、他の誰のためでもない、皆さんご自身のための「セルフケア」です。
私たちの仕事は、大きなやりがいがある一方で、知らず知らずのうちに心にストレスが溜まってしまうこともあります。コップの水が溢れる前に、自分で気づき、水を少し減らしてあげる。それが「セルフケア」です。
あなたが心から笑顔でいてこそ、子どもたちは安心して笑顔になれます。 今日は、自分自身を労わるための知識と技術を一緒に身につけていきましょう。
第1章:ストレスを正しく知ろう:ストレスは「悪いもの」だけじゃない
「ストレス」と聞くと、ネガティブなイメージを持つかもしれませんが、実は「良いストレス」と「悪いストレス」の2種類があります。適度な緊張感は、生活にハリを与え、成長を促してくれます。
良いストレス
適度な緊張感や心地よい刺激となり、生活にハリを与え、自己成長を促すもの。
例:新しい仕事を任される、行事で役割を担う、スポーツで良い成績を目指す など
悪いストレス
過度なプレッシャーや不快な刺激が続き、心身の健康を損なう原因となるもの。
例:人間関係のトラブル、過重な業務、将来への不安 など
豆知識:心がSOSを出す「ストレス反応」のメカニズム
ストレスを感じると、私たちの心と身体は自分を守ろうとして、様々な反応(SOSサイン)を示します。これは自然な防御反応です。決して「自分が弱いからだ」と責めないでくださいね。
ストレッサー(ストレスの原因)には、暑さ寒さなどの「物理的」なものから、人間関係や仕事のプレッシャーといった「心理・社会的」なものまで様々です。
これらに反応して、心や身体、行動に変化が現れます。
- 心理的な反応: イライラ、不安、気分の落ち込み、集中力の低下
- 身体的な反応: 頭痛、肩こり、腹痛、動悸、不眠、食欲不振
- 行動面の反応: ミスが増える、飲酒・喫煙量の増加、遅刻や欠勤
第2章:自分の「ストレスサイン」に気づく
セルフケアの第一歩は、自分自身の「いつもと違う」というサインに、できるだけ早く気づくことです。コップの水が溢れそうになっていることに気づかなければ、水を減らすことはできません。
【個人ワーク】マイ・ストレスサイン チェックリスト
ストレスを感じた時に自分によく現れる「心のSOSアラーム」はどれですか?正直にチェックしてみましょう。
心理的なサイン(こころ)
身体的なサイン(からだ)
行動面のサイン(こうどう)
【チームで話してみよう】
職場の仲間と、差し支えない範囲で自分のストレスサインについて共有してみるのもお勧めです。「自分だけじゃなかったんだ」と知るだけで、心が少し軽くなることもあります。(話したくない時は、聴くだけの参加もOKです!)
第3章:自分を癒すセルフケア:コーピングレパートリーを増やそう
ストレスサインに気づいたら、次はそれを解消・軽減するための行動「コーピング」を実践します。気分や状況に応じて使い分けられるように、たくさんの種類(レパートリー)を「心の救急箱」に持っておくことが大切です。
【個人ワーク】自分だけの「コーピングリスト」を作ってみよう!
あなたのストレス解消法や、気分が楽になる行動を、思いつくままに書き出してみましょう。(目標10個!)
① 気分転換・リラックス系
ストレスの原因から離れ、心身を休ませる
- 好きな音楽を聴く
- 温かいお風呂に入る
- 良い香りのアロマを焚く
- ペットと触れ合う
- 自然の中を散歩する
- コメディ映画で笑う
② 問題解決・思考転換系
原因に働きかけたり、捉え方を変える
- 問題点を紙に書き出す
- 上司や同僚に相談する
- 「完璧じゃなくても大丈夫」と言う
- 物事の良い側面を見る
- できないことは断る勇気を持つ
③ 社会的支援・交流系
人との繋がりで安心感を得る
- 友人や家族に話を聴いてもらう
- 同僚とランチに行く
- 趣味のサークルに参加する
- 専門家に相談する
【体験】マインドフルネス呼吸法
「今、ここ」に意識を集中させ、頭の中のモヤモヤをリセットする簡単な瞑想法です。仕事の合間や寝る前に3分だけでも効果があります。
- 姿勢を整える: 椅子に浅く腰掛け、背筋を軽く伸ばします。足の裏は床につけ、手は楽に太ももの上に。
- 目を閉じる: ゆっくりと目を閉じ、全身の力を抜きます。
- 呼吸に意識を向ける: 自分の自然な呼吸に、ただ意識を集中させます。空気が鼻から入って出ていく感覚を、ただ観察します。
- 雑念が浮かんでもOK: 他の考えが浮かんでも、「あ、考えが逸れたな」と気づき、またそっと呼吸に意識を戻します。雑念を追い払おうとする必要はありません。
まとめ:自分を大切にする習慣を
セルフケアは、特別なことではありません。
歯を磨いたり、お風呂に入ったりするのと同じ、自分を健やかに保つための日常的な習慣です。
今日の研修をきっかけに、ぜひ一日一回、自分の心と身体の声に耳を傾ける時間を作ってみてください。
その小さな気づきと、自分を労わる行動の積み重ねが、皆さんを、そして子どもたちの笑顔を守ることに繋がります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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