基礎研修 第1回
オリエンテーションと専門職の使命
1. はじめに:私たちの原点と目指す場所
日々の業務に追われると、つい目の前のことだけになりがちですが、時々この原点に立ち返ることが、質の高い支援を継続する上で不可欠です。
この研修は、皆さんが子どもたちの未来を支えるプロフェッショナルとして、自信と誇りを持って輝くための学びの場です。私たちの仕事の「羅針盤」とも言える、なぜこの仕事をするのかという「理念」と、専門職としてどう行動するべきかという「倫理」に焦点を当て、仕事の意義を再確認し、明日への活力を共に得ていきましょう。
2. 私たちが大切にする理念とビジョン
私たちの法人/事業所が社会に対して果たすべき使命、それが「理念」です。そして、その理念を実現した未来の姿が「ビジョン」です。
<理念>
『〇〇〇(ここに貴法人の理念を記入)』
(解説例)障がいの有無や年齢に関わらず、誰もが「こうなりたい」「やってみたい」という希望を持ち、失敗を恐れずに一歩を踏み出せる、そんな社会を私たちの手で創り出していくという強い決意表明です。
<ビジョン>
『〇〇〇(ここに貴法人のビジョンを記入)』
(解説例)私たちは、子どもたちが自分の夢を見つけ、挑戦という航海に出る時に、進むべき道を指し示し、時に一緒に悩み、励ます「コンパス」のような存在でありたいと考えています。
【グループワーク】(20分)
私たちの理念『〇〇〇』は、日々の小さな実践の積み重ねによって実現されます。3〜4人のグループで、この理念をあなたの日々の業務でどのように実践できるか、子どもたちの「夢」や「挑戦」を応援する具体的なアクションについて話し合ってみましょう。
話し合いのヒント
- 子どもの「好き」「やってみたい」という気持ちを、どうやって見つけますか?
- 失敗を怖がっている子に、どんな言葉をかけますか?
- 子どもが抱いた小さな夢を、どうやって活動に繋げますか?
アクションの具体例
- 電車が好きなA君の夢を尊重し、電車の絵本や製作活動に取り入れる。
- ブロックで失敗しているBちゃんの挑戦に、「あと少しだね!」と声をかけ、挑戦する気持ちを応援する。
3. 児童福祉の歴史と私たちの役割
私たちが今当たり前に行っている「地域での個別支援」は、長い歴史と多くの人々の努力の上に成り立っています。その変遷を知ることで、私たちの現代における役割がより明確になります。
| 時代 | 考え方の変化 | 私たちの役割 |
|---|---|---|
| 昔 (施設中心の時代) |
特定の施設で保護・管理することが中心。「集団」として同じ生活を送り、個人の意思が尊重されにくい側面がありました。 | 利用者の安全確保、身の回りの世話が主な役割でした。 |
| 今 (地域中心の時代) |
「ノーマライゼーション」の理念が広まり、障がいは個人の問題ではなく社会の側にある障壁の問題だと捉える「社会モデル」へと転換。一人ひとりの人権と個性を尊重し、地域でその人らしい生活を送ることが当たり前になりました。 | 子どもの自己決定を尊重し、夢や挑戦を社会で実現できるよう環境を整え、社会との橋渡しをする「伴走者(パートナー)」です。 |
【用語解説】自己決定の尊重とは?
本人が「こうしたい」「これがいい」と自分で考え、選び、決めることを、専門職として最大限に大切にすることです。私たちの価値観で決めるのではなく、たとえ言葉でうまく言えなくても、本人の表情や視線、指さしなどから気持ちを汲み取り、本人が選べる選択肢を提示し、その決定を支援することが求められます。
4. 専門職としての倫理綱領
私たちは、子どもとご家族の人生という、非常にデリケートで大切な領域に関わる専門職です。だからこそ、高い倫理観に基づいた行動が求められます。倫理とは、私たち自身を守り、子どもと家族を守り、そして社会からの信頼を得るための「プロフェッショナルの行動規範」です。
個人の尊厳と人権の尊重
すべての子どもは一人の人間としてかけがえのない存在です。その子の人格、個性、価値観をありのまま受け止め、尊重します。
守秘義務の徹底
業務上知り得た個人情報を、正当な理由なく第三者に漏らしてはいけません。退職後もこの義務は続きます。
受容と共感
すぐに「良い/悪い」を判断せず、まずは背景にある感情や思いに寄り添い、相手の立場に立って理解しようと努めます。
公平・公正な関わり
職員個人の感情や価値観で差をつけず、すべての子どもに平等・公平に関わります。ニーズに応じた個別支援は「えこひいき」ではありません。
専門性の向上
常に最新の知識や技術に基づいた支援が必要です。日々の実践を振り返り、研修などを通じて積極的に学び続けます。
説明責任と透明性
行う支援の目的や内容について、子ども本人や保護者に分かりやすく説明する責任があります。利用者の理解と同意に基づいた支援を徹底します。
明日から実践する!専門職の行動
児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所の方へ
職員研修にご使用いただけるように、研修用テキスト資料と講師原稿を配布しております。
こちらからダウンロードしてください。
支援の質向上にお役に立てれば幸いです。

コメント