感染症対策と健康管理
子どもたちが集団生活を送る上で避けては通れない感染症。しかし、正しい知識という「盾」と、適切な対策という「鎧」を身につけることで、私たちは子どもたちをウイルスの脅威から守る専門職となれます。この記事では、主な感染症の特徴から、感染拡大を防ぐための具体的な消毒方法、そして最も重要な「嘔吐物処理」の鉄則までを徹底解説。子どもの「いつもと違う」サインを見逃さない観察眼を養い、子どもたちの笑顔を守り抜くための知識と技術を学びます。
1. 子どもたちの笑顔を守る「見えない盾」になる
施設において感染症の発生をゼロにすることは不可能ですが、その拡大を最小限に食い止め、子どもたちの健康被害を防ぐことは、私たちの重要な責務です。感染症対策は、子どもたちの健康を守る「見えない盾」です。この盾をより強く、確実なものにするため、「敵を知り」「バリアを張り」「変化を見逃さない」という3つの要素を学び、子どもたちが安心して過ごせる環境を築きましょう。
2. 敵を知る:主な感染症の知識と対応
感染症対策の第一歩は、敵であるウイルスの特徴と、どのように体内に侵入してくるか(感染経路)を知ることです。
① 飛沫感染
咳やくしゃみの飛沫を吸い込むことで感染。
(例:インフルエンザ、風邪)
② 接触感染
ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることで感染。
(例:ノロウイルス、手足口病)
③ 空気感染
空気中を漂うウイルスを吸い込むことで感染。
(例:麻しん、水痘)
主な感染症と登園の目安
| 感染症 | 主な症状 | 登園の目安 |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 38度以上の急な発熱、頭痛、関節痛 | 発症後5日経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまで |
| 感染性胃腸炎 | 嘔吐、下痢、腹痛 | 症状が治まり、普段の食事がとれること |
| 手足口病 | 手のひら、足の裏、口の中の水疱 | 発熱や口の水疱の影響がなく、普段の食事がとれること |
| 水痘(みずぼうそう) | 全身の発疹、発熱 | すべての発疹がかさぶたになるまで |
※登園再開には医師の「登園許可書」が必要です。
3. バリアを張る:嘔吐物処理の鉄則
ノロウイルスなど感染性胃腸炎の嘔吐物は、不適切な処理が集団感染に直結する最も危険な感染源です。全職員が迅速かつ正確に実践できるよう、手順を徹底しましょう。
【最重要】嘔吐物処理 6つのステップ
4. 変化を見逃さない:日々の健康観察のポイント
子どもは体調不良をうまく言葉で伝えられません。私たちが「いつもと違う」という小さなサインに気づくことが、早期発見・早期対応に繋がります。
「いつも」との比較で気づく変化のサイン
【朝の受け入れ時】
- 機嫌は良いか
- 顔色・表情は悪くないか
- 皮膚に発疹はないか
- 咳や鼻水は出ていないか
【活動中】
- 食欲はいつも通りか
- 活動量は低下していないか
- 排泄物の状態は正常か
- 体温は平熱か
リフレクション・ワーク
あなたが担当しているお子さんについて、その子の「いつも」の状態を具体的に書き出してみましょう。「いつも」を深く知ることが、「いつもと違う」に気づく第一歩です。
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支援の質向上にお役に立てれば幸いです。

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