基本的な生活習慣の支援① 食事
「子どもの偏食にはどう対応すればいい?」「食物アレルギーのある子に、どうすれば安全な食事を提供できるだろう?」といった悩みを抱えていませんか。実は、子どもの食事支援は「食育」「食物アレルギー対応」「偏食へのアプローチ」という3つの柱で捉えることで、すべての子供にとって食事を「安全で、楽しい時間」に変えることができます。この記事では、食べる意欲を育む食育の基本から、命を守るアレルギー対応の徹底事項、そして子どもの心に寄り添う偏食への具体的なアプローチ法まで、事例を交えながら詳しく解説します。
1. はじめに:「食べる」ことは「生きる」こと、そして「楽しむ」こと
食事の時間は、単に栄養を補給するだけの時間ではありません。それは、生きる力を育み、人との繋がりを感じ、世界の豊かさを知る、一日の中でも非常に大切な学びと喜びの時間です。しかし同時に、食物アレルギーのように命に直結する危険性や、偏食のように根気強い関わりが求められる課題も存在します。この研修では、「食」を3つの側面から深く学び、すべての子どもにとって食事が「安全で、楽しい時間」となるよう、私たちの専門性を高めていきましょう。
食事支援の3つの柱
食育
食べることを好きになる、心豊かな関わり
食物アレルギー
子どもの命を絶対的に守るための、危機管理
偏食
子どものペースに寄り添う、根気強い支援
2. 食育の基本:食べる意欲と感謝の心を育む
食育とは、様々な食の経験を通して、「食」に関する知識と、健康的な食習慣を身につけ、豊かな人間性を育むことを目的としています。それは「野菜を食べさせる」といった技術論ではなく、より大きな視点での関わりです。
支援で大切にしたい食育の視点
① 食べる意欲を育む
「おなかすいたね」の声かけ、自分で食べようとする意欲の尊重。
② 食事のリズムを作る
決まった時間の食事で生活リズムの基礎を作る。
③ 食事のマナーの基礎
挨拶の意味を伝え、感謝の気持ちを育む。
④ 食への興味を広げる
栽培活動やクッキング、絵本で食材に触れる。
【豆知識】「いただきます」の意味
「いただきます」は、食材となった動植物の「命をいただきます」という意味と、食事を作ってくれた人への感謝を表す、日本独自の美しい言葉です。子どもたちに意味を伝えることで、食べ物を大切にする心を育むことができます。
3. 命を守る最重要課題:食物アレルギーへの対応
食物アレルギーは、対応を誤れば命に関わるアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある、極めて重大な問題です。「かもしれない」「たぶん大丈夫」は決して許されません。100%の安全を確保するための、徹底した知識と手順を学びます。
【補足】アナフィラキシーショックとは?
アレルゲンを摂取した後、数分から数十分以内に、じんましん、呼吸困難、嘔吐などが複数同時に、急激に現れる危険な状態です。
アレルギー対応 3つの徹底事項
- ① 情報共有の徹底: 入所時の詳細な聞き取りと「個別のアレルギー対応指示書」の作成。全職員が確認できる場所への顔写真付き一覧表の掲示。配膳前のダブルチェック。
- ② 原因食物の完全除去の徹底: 食器の色を変えるなどの視覚的な工夫。配膳・下膳の時間やルートを分ける。
- ③ コンタミネーション(意図しない混入)防止の徹底: 調理器具や人の手を介してアレルゲンが混入することを防ぎます。
コンタミネーション防止のポイント
調理段階
専用の調理器具を使用し、場所や時間を分けて作る。
配膳段階
トングやスプーンなどの食器を使い回さない。
食事段階
介助の前に必ず手洗い・消毒を行う。
緊急時対応フロー
子どもの様子(咳、発疹、嘔吐など)に異常を発見。
大声で叫び、全職員に緊急事態を知らせる。
管理者は指揮、救急車要請、保護者連絡など事前に定めた役割で動く。
指示書に基づき、研修を受けた職員が準備・実施する。
食べたもの、時間、症状の経過などを正確に伝える。
4. 「食べない」に寄り添う:偏食へのアプローチ
子どもの偏食には、味覚や嗅覚の敏感さ、新しいものへの警戒心など、様々な背景があります。私たちの役割は、無理やり食べさせることではなく、子どもが安心して「ちょっと試してみようかな」と思える環境を作ることです。
【絶対原則】無理強いはしない!
食事の時間が、子どもにとって「怒られる嫌な時間」になってしまうと、偏食はさらに悪化します。私たちの焦りやイライラは、必ず子どもに伝わります。
偏食への5つのアプローチ法
スモールステップの考え方
目標を細かく分解し、「できた!」という成功体験を積み重ねることが大切です。
グループワークで考えてみよう
<事例>
今日の給食は、鶏肉の唐揚げ、ブロッコリーのサラダ、ごはん、みそ汁です。
Aちゃん
卵と乳製品に重いアレルギーがあります。
B君
野菜全般が苦手で、特にブロッコリーは見ただけで「いらない!」と言います。
<話し合いのポイント>
- Aちゃん(アレルギー)の給食で、チームとして確認・徹底すべきことは何ですか?(コンタミネーションの視点も入れて)
- B君(偏食)に対して、どのようなアプローチが考えられますか?「スモールステップ」を意識して、複数の関わり方を考えてみましょう。
児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所の方へ
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支援の質向上にお役に立てれば幸いです。

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