【基礎編】第9回 遊びを学びに変える3つの技術:NBDIの実践

遊びを学びに変える3つの技術

子どもの自発的な学びを最大限に引き出す、NBDIの具体的な実践テクニックを学び、あなたの関わりをプロの支援へと進化させましょう。

目次

はじめに:理論を「使える技術」に変える

前回の研修では、子どもの興味・関心を起点に、自然な生活の中で学びを引き出す「NBDI」の理論について学びました。また、そのための土台として、学びの機会を創出する「環境設定」についても触れました。

今回は、その環境設定という「舞台」の上で、私たちがどのような「演技(関わり)」をすれば、子どもの自発的な学びを最大限に引き出せるのか、そのための具体的な実践テクニックを3つ、徹底的に学びます。

これらの技術は、皆さんの関わりを「ただの遊び相手」から「子どもの発達を促すプロのパートナー」へと変えるための、強力な武器となります。

NBDIを実践する3つのコア技術

🎭

① モデリング

正しい道筋を
「見せて」あげる

② タイムディレイ

子どもが自分で踏み出すのを
「待って」あげる

🔗

③ インシデンタル・ティーチング

その一歩を、次の一歩へと
「繋げて」あげる

実践技術① モデリング:「やってみせる」ことで教える

支援者が、子どもに期待する行動(言葉や動作)を、分かりやすく「お手本」としてやってみせることです。子どもは、大人の真似をすること(模倣)で多くのことを学びます。

効果的なモデリングの4つのコツ

🎯

子どもの注意を引く

「見ててね」と声をかけたり、子どもの視線の先でお手本を見せたりする。

👌

シンプルに、分かりやすく

教えたい部分だけを、ゆっくり、はっきりと見せる。余計な言葉や動きは省く。

😄

楽しい雰囲気で

支援者が楽しそうにやってみせることで、子どもの「真似したい!」を引き出す。

👍

すかさず強化!

完璧でなくても、真似しようとした意欲を褒め、行動の結果に繋げる。

実践技術② タイムディレイ:「待つ」ことで自発性を引き出す

子どもが何かを要求している場面や、次に行うべき行動が明らかな場面で、支援者がすぐに手助けせず、3〜5秒ほど意図的に「待つ」技術です。

なぜ「待つ」ことが強力なのか?

  • 子どもが自分で考えて行動する「間」を与える。
  • 「あなたならできるよ」という信頼のメッセージになる。
  • 指示待ちの状態から自立へのきっかけを作る。

タイムディレイの使い方

  1. 子どものしたいサインを捉える。
  2. 期待を込めた表情で、黙って3~5秒待つ
  3. 自発的な行動を最大限に褒める(強化)
  4. 反応がなければ、適切な手助けを与える。

【ペアワーク】「待つ」を体験しよう

この「待つ」ということが、いかに効果的で、いかに難しいかを体験してみましょう。ペアになって、一人が子ども役、一人が支援者役です。子ども役は、目の前にあるペンを取りたい、という素振りだけしてください。支援者役は、アイコンタクトをしながら、にこやかに、でも何も言わずに5秒間待ってみてください。その後、役割を交代します。

【振り返りのヒント】
子ども役の方は、5秒間どう感じましたか?何か言わなきゃ、という気持ちになりませんでしたか?
支援者役の方は、何か言いたくなるのを我慢するのが、意外と難しくなかったですか?
この「もどかしさ」を乗り越えた先に、子どもの自発性が花開きます。

実践技術③ インシデンタル・ティーチング:学びの連鎖を作る

子どもの興味が芽生えた瞬間を捉え、より高度なスキルへと導く、NBDIの集大成とも言える技術です。

【場面】子どもが棚の上のボールを指差す

Step 1:子どもが働きかける:子どもがボールを指差し「あ!」と言う。

Step 2:支援者が促す:すぐには取らず、「うん、ボールだね。ボールが…?」と言って、期待して待つ。

Step 3:子どもが応答する:「とって」と言う。

Step 4:支援者が強化する:「そっか!ボール、とってね!よく言えたね!」と言って、すぐにボールを渡す。

【グループワーク】脚本を考えよう!

場面設定:散歩の途中、子どもが道端に咲いているタンポポを見つけて、立ち止まり、指をさしました。

この後、インシデンタル・ティーチングの4ステップに沿って、支援者と子どもがどのようなやりとりを展開できるか、具体的なセリフを考え、グループで寸劇を作ってみてください。

【考え方のヒント】
子どもの「(指差し)」という働きかけに対し、支援者は「たんぽぽ、きれいだね」と子どもの気持ちを代弁したり、
「たんぽぽ、どうする?」と次の行動を促したりできます。
子どもの小さな気づきを、豊かな言語経験に変えていく。これが私たちの専門性です。

ABA研修資料

NPO法人世田谷スポ・レクネット

児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所の方へ

職員研修にご使用いただけるように、研修用テキスト資料と講師原稿を配布しております。

こちらからダウンロードしてください。

支援の質向上にお役に立てれば幸いです。

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